引きこもりの日記

僕は今まで嘘ばかり吐いてきたのでここでは本当のことを書こうと思います

醜形恐怖症は強迫性障害

僕は子供の頃から強迫症的な気質があって今ままで何度か実際に強迫性障害になったことがある

最も酷かった症状は、「言葉の意味を説明できなければならない」というものだった

例えば、「強迫」という言葉を見たら頭の中で「ある行動をとるよう迫ったり、ある考えを押し付け支配すること」などといちいち説明するのだ

これには明確なきっかけがある。10代の頃、ドストエフスキーなどの海外の古典をよく読んでいて、難しい単語が出てきたら意味を調べて、ノートに書き出していた

ところが段々、この単語の意味を僕は本当に理解しているのだろうか?この単語も調べないといけないのではないか?という疑念が出てきて、確認するために頭の中で単語を説明するようになった

意味は分かっていたとしても、うまく説明できないと「自分は分かっていない」という恐怖心にかられ、辞書を引いたりしてなんとか言葉で説明できるまで必死に考えた

困ったことに、こういう「意味は分かるけど説明するのは難しい」言葉はたくさんあり、このせいで半日潰れることもあった

僕が恐らく一番悩んだのは「基本的」という言葉で、広く使われているけど説明するのはとても難しい

そんな折、2ch言語学を専攻する大学生がスレを立てていたので、僕は自分がうまく説明できずに悩んでいる言葉の意味を聞いてみた

具体的には「この単語はこういう使われ方をしているのだけれど、この文脈上、辞書に書いているどの定義でもうまく説明つかない。だからこの使い方は間違っているのではないか?」というものだった

これに対し彼は「いやそれは正しい、何故なら僕は日本人で日本語を話す者としてそう思うから。辞書の定義はどうでもいい」と答えた

僕は驚いた。言語学を専攻している人ならば、僕が納得できるような説明をしてくれるはずだと期待していたのに、彼は「俺がそう思うんだからそれでいいじゃん」と言ったのだ

納得しきれない僕に続けて「言葉というのは曖昧なもので、時代が変わると意味が変わることさえあるんだよ。辞書に書いてあることが全てじゃない」と言った

僕はこの「言葉というのは曖昧なもの」という考えに救われた。必死に目に映る単語を全て定義してきた僕は「あっ、言葉って曖昧でいいんだ」とそこで初めて気付いた

その後も強迫性障害になりかけたことはあったけど、その度に「曖昧でいい」と頭の中で繰り返すことで深刻な症状が出る前に治まった


僕はここ数日、醜形恐怖症の症状がひどくて、自分の顔を考える以外何も出来ずにいた

怖くて今までしていなかったのだが、何か変えたくて、ネットで醜形恐怖症と調べてみた

すると精神科医の先生が最近は醜形恐怖症は強迫性障害の一種であると考えられていると言っている動画を見つけた

ずっとそうなんじゃないかって感じていたけど医学的にもそうらしい

5chのメンタルヘルス板の醜形恐怖症スレを開けば、たくさんの人が自分の症状を書き込んでいた

僕はそれにすごく共感すると共に、30代になっても醜形恐怖症が治らずに顔がどうこういってる人を見て、このままじゃ嫌だと思った

こんなくだらないことで悩み続けてたまるかよ

強迫性障害なら治したことがある。曖昧でいいんだ

僕はずっと自分の顔が普通か異常か必死に定義したがっていたんだ

「大丈夫、変じゃない」と思えば「いやここがおかしい、異常だ」と不安になって

もうどうでもいいよ、答えは出さない。曖昧でいい