引きこもりの日記

僕は今まで嘘ばかり吐いてきたのでここでは本当のことを書こうと思います

母親のことをどう思っていいのか分からない

僕の母親はたぶん発達障害で、とにかく片付けというものが出来ない人だった

子供の頃から家はゴミ屋敷で床は見えない有様だった

そのうえ僕が掃除をしようとすると、「お前は何でもかんでも捨てるから駄目だ、掃除するな」と逆に怒られる始末で

ならこれはいつ何に使うのだ?と問い詰めても「いつか使うかもしれない」とか「お前の金で買ったものじゃない」と未だに使わずどこかに埋もれてるゴミを後生大事にするのだった

僕はそんな家が恥ずかしかったし、きれいな家に住んで友達を呼ぶのがちょっとした夢だった

中学生のある日漫画を読んでいたら、僕と同じような家庭環境の登場人物が出てきて、その人物の家はまさに僕の家のようなゴミ屋敷だった

フィクションでは、ゴミ屋敷と称してただ散らかっているだけの部屋がよく出てくるので、この再現度の高い描写を見て、おお、僕んちと同じじゃんと親近感を持って嬉しい気持ちになった

しかし、物語は対照的に鬱屈とした、深刻な雰囲気で進んでいった

「ネグレクト」とか「家庭崩壊」とか知ってはいたけど他人事だと思ってた単語が、僕とそっくりの家に突きつけられるのを見て、自分の家も傍から見たら異常なのかなと、えも言われぬ気持ちになった

大きくなるにつれて、何が普通か知るようになって、普通になりたいと思うようになって、それをさせない母親に対して苛立ち憎むようになった

自分でも色々やってみたけど、結局何もできなくて、普通になれないんだって諦めて

それからずいぶん経って、ようやくこの嫌いな家を出ていくことにしたんだけど、母親に対してどう思っていいのか分からない

憎んでいる部分もあるし、申し訳ない気持ちもあるし、同情してるところもある

あまり人の目は見たくないから、家族の顔も見ずに喋ってたんだけど、最近久々に母親の顔を見た。ずいぶん老けたなと思った

東京に行くんだと言ったら、残念だとは言ったけどあっさり受け入れた

残念なのは、ご飯は毎日僕が作ってて、僕の障害年金のうち月4万は家に入れてたからなのだろう

今まで養ってもらっておいて、捨てて出て行くなんて僕はひどい人間なのだろうか

別に誰かに不幸になって欲しいわけじゃないんだよ